2009年01月03日

2009年 平成21年の運気

akemashitee.jpgクリックすると写真拡大
 紀元前漢の時代に編纂された「黄帝内經素問」という医学書の中に、それぞれの歳に起る気候の変化と自然界や人々に及ぼす影響や養生法また治療法のヒントが書かれた「運気論」と謂う編がある。
 この篇には各歳がどのような気候になり、人々にどのように影響し、かかりやすい病気に付いて、また病気の予防法などが詳しく書かれている。 
 人の年齢も60歳になると還暦を迎えるというが、自然界も同じで60年に一度同じ干支の組み合わせが巡ってくる。そして天空や地球の運行もほぼ同じような条件が巡って来ると古代の聖人は考えた(悟った)
 此れ等が本当に信頼出来るものか否かは、昨年の運気をご参照!
さて、今年は丑歳だが、十干では己(つちのと)、十二支では丑(うし)の歳。
 本年の運気や如何に?



未だ翻訳途中で完全では有りませんが、取りあえずUPしてみます。
後日、追加記入します。
*注:文章中の?マークの文字は現在の日本語のフォントにない文字です。詳しくは文頭のテキスト・ファイルの文章を参照して下さい。

tsuchinoto-ushi-02,13.rtf2月13日更新 
クリックするとファイルがダウンロードされます。


2009年 平成21年


己・丑(つちのと・うし)歳の運気


帝 曰く善し 太陰の政 いかに


黄帝がおっしゃるに、善し。「太陰」が支配する歳はいかようか?


岐伯 曰く 丑・未の紀なり


岐伯(黄帝の御典医)がそれに答えていう、それは丑歳と未歳である。
中略・・・・・

丁・丑 歳 1937年 1997年
丁・未   1907 1967  2007
癸・丑   1913  1973
癸・未   1943  2003
己・丑   1949  2009(今年)
己・未   1919  1979
乙・丑   1925  1985
乙・未   1955    
辛・丑   1961
辛・未   1931  1991
(24年に一度、また30年に一度よく似た年回りが来る。全く同じ年回りは60年に一度)

太陰・少宮・太陽


上は太陰・中は少宮・下は太陽


司天 太陰(濕土)

中運 少宮(土)

在泉 太陽(寒水)



  風・清 勝・腹同じ 正宮に同じ


(中運の少宮の土運は不及だが司天の土運がその中運の土運を助けて、正宮と同じように平気となる)


己・丑は太一天符


己・未は太一天符



司天の太陰濕土・中運の少宮土・四時の季月の三の五行が合うのを「太一天符」という
(十干の己(つちのと)は五行の土の性質、十二支の丑(うし)も土の性質)

 天符:司天の五行と中運の五行と会する(司天の太陰濕・土+注運の少宮・土)
     歳の気の化が平和
  歳會:中運の五行と十二支の五行とが会する(中運の少宮・土+十二支の丑・土)
     大過・不及の歳であっても、影響が少なくその歳は平気
太一天符:天符と歳會が共に合する(太陰濕・土+少宮・土)+(少宮・土+丑・土)
     歳の気の化が益々和順

   天符 を執法と為し→           →病勢が速く命が危うくなる
歳位(歳会)を行令と為し→邪気が人に中るときは →病勢が徐に慢性化しやすい
 太一天符 を貴人と為す→           →病勢が甚だしく突然死に至る

その運は雨・風・清


普及である中運の土運の化は雨湿
勝を行なう木の風
復を為すものは金の清涼

少宮・太商・少羽 (終)・少角 (初)・太徴


五行:木  火  土  金  水 
五音:角  徴  宮  商  羽
主運:初運 二運 三運 四運 終運(主運は毎年変わらず)
   少角 太徴 少宮 太商 少羽
   大寒〜春分〜忙種〜処暑〜立冬
客運:初運 二運 三運 四運 終運
   少宮 太商 少羽 少角 太徴(客運はその歳毎に変化する)

この主運と客運の組み合わせによりその歳の運気が定まる。

十干の 五気は:甲、丙、戊、庚、壬の陽干は”太”と云い、大過。
        乙、丁、己、辛、癸の陰干は”少”と云い、不及。
十二支の六気は:子、寅、辰、午、申、戌は陽支で陽年。
        丑、卯、巳、未、酉、亥は陰支で陰年。
丑歳、未歳は太陰で陰支、陰年にあたる。
少宮の”少”は陰干である己(つちのと)土運で不及となる。


太陰・少商・太陽 寒熱勝復同じ


勝を行なうものは熱・復を為すものは寒

凡そこの太陰司天の政は気化運行 天に後る

陰 其の政を専らにし 陽氣 退き辟し 大風時に起る

天気は下降し 地気は上騰す

原野昏?し 白埃四に起こり 雲南極に奔る

寒雨数至り 物 差夏に成る


凡そこの太陰司天のは不及の年回りで気候の変化が遅れがちになる。しかし太一天符の歳だから、その影響は少ない。
司天の太陰土も在泉の太陽寒水もどちらも陰気だから陽気が退き、また初の氣が主・客ともに厥陰風木だから大風がときにおこる。
司天の湿気は降り、在泉の寒氣は昇るので平野には暗く霧に覆われあちこちに白くチリが降ったようになり、雨雲が南方の方に集まり、寒い雨の日がたびたびある。
物(草木など)は夏を過ぎ秋に入ろうとする時になってから成長する。

民の病 寒濕 腹満 身?憤 ?腫 痞逆 寒厥 拘急

人々の病気としては、冷えや湿気に犯されやすく、腹が張り身体や手足が腫れる、みぞおちがつっかえて胸や咽が苦しくなり、手足が冷えて冷え逆上せが起り、手足の筋肉が引き攣れるような症状が現れやすい。

濕・寒 徳を合わせ黄・黒  埃昏 氣交に流行す

司天の太陰の湿気と在泉の太陽の寒気の作用が合わさって、黄色や黒色の草木が育ちやすい(穀物では黄色の穀物=黍・黒色の穀物=黒米・黒豆・栗・等の収穫が多いいか?)
気候としては霧が立ちこめたり、黄砂が降ると云うような事が多くなりそう。

上 鎮星・辰星に應ず

天空では土星と水星の輝きが支配する。

其の政は肅しく 其の令は寂 其の穀は?・玄

司天の太陰濕土の作用は穏やかだが、在泉の太陽寒水の作用は厳しい(天気は雨や霧が多く地表は冷えやすい)
今年は黄色い穀物(特に上半年)や黒い穀物(下半年に)が豊作になりそう。
(穀物では黄色の穀物=稷・黒色の穀物=黒米・黒豆・栗・等の収穫が多いいか?)

故に 陰 上に凝り 寒 下に積む

だから、司天の太陰の湿気は蒸発して天に昇り、在泉の太陽寒水の気は益々地上に積もる。
 
寒水 火に勝つときは則ち氷雹を為す

陽光治まらず 殺気迺ち行なわる


地表の寒水が天に昇って、天空の熱気に勝る時には夏でも雹(ヒョウ)が降ることがある。

故に 有餘は宜しく高かるべく 不及は宜しく下きかるべし

有餘は宜しく晩かるべく 不及は宜しく蚤かるべし


だから、五穀のうちでも土・水に相当する黄色や黒い穀物や草木はその季節を過ぎても成長し、土・水の気に負ける性質(木・火?)の穀物や草木は早く枯れる。

土の利 氣の化なり 民氣も亦之に従う

太陰土の程よい働きである。 人々も同じような影響を受ける。
(脾や腎の働きが丈夫な人は寒濕の影響を受けないが、虚弱な人は影響を受けやすい)

間穀 其の太なるに命ずなり

「間穀」とは:左右四間に属する穀物:司天の太陰の左は少陽(相火=赤色の穀物)、右は少陰(君火=赤色の穀物)。在泉の太陽の左は厥陰(木=蒼色の穀物)右は陽明(金=白色の穀物)。左は少陽(相火=赤色の穀物)、右は少陰(君火=赤色の穀物)を食べてその精を保つ。
「其の太なるに命ず」とは:今年は中運が少宮で、その少というのは不及で、司天の太陰も不及になり、司天が不及になると在泉の太陽は反対に太過になる。
よって、その「太なる」とは大過である在泉の太陽の左の厥陰と右の陽明が司る穀物のこと。


*初の氣は:地気遷り 寒迺ち去る
 
春氣至りて 風迺来たり 萬物を生布して以て榮う

民気 條舒す

風・濕 相薄りて 雨迺ち後くる

民の病 血溢 筋絡拘強 関節利せず 身重くして筋痿ゆ


09,01,01.jpg 1_1.jpg

1月20日・大寒〜3月20日・春分(1月19日・甲子〜3月20日・甲子)

初の氣:一説に冬至の後の甲子の日(1月19日)から次の甲子の日(3月20日)までを支配する。

この時期は主気・客気ともに厥陰(風木)が支配する

昨年の終の氣の在泉の客気である陽明の気が遷り(うつり)今年の初の氣がはじまる。
今年の初の氣は主気・客気ともに厥陰風木だから陽温の変化が来て寒が去る。
春の気が早く来て、暖かい風がふき、万物が成長し栄える。
人々ものびのびできる。
今年の司天は太陰濕土で雨が多いはずだが、初の氣の厥陰風木の影響で後半に雨が降る(木は土を尅す)
人々に起りやすい病気は:主気・客気ともに厥陰風木だから風邪が肝臓に影響して、肝臓に血を蓄える働きが衰えて出血性の病気がが起りやすく、筋肉の引きつりや関節の強張り、また身体がだるく重いとか筋肉が萎えると云うような病気になりやすい。

*二の気は、大火正しく 物 化を承け 民 迺ち和す

その病は温? 大に行われ 遠近 咸く若う

濕蒸 相薄り 雨 迺ち時に降る


3月20日・春分〜5月21日・小満(3月20日・甲子〜5月19日・甲子)

二の気:主気・客気ともに少陰君火

この両方の火の働きが正しく支配されると、万物はその火の化を承けて成長し、人々も暮らしやすい。
もしその君火の働きが乱れるようなことが起こると、人々は温(温病)?(激しい)すなわち激しい熱病が流行し、近くや遠くの人々もことごとくこれにかかる恐れ有り。
この気の終の頃には、司天の太陰濕土と少陰君火の蒸発の気が相合わさり、よく雨が降る。

*三の気は、天政布きて 濕氣降り 地氣騰る 雨迺

ち時に降る 寒迺ち之に随う

寒濕に感ずるときは則ち民の病は身重く?腫し 胸腹満す


5月21日・小満〜7月23日・大暑(5月19日・甲子〜7月18日・甲子)

三の気:主気は少陽相火、客気は司天の太陰濕土

司天の太陰の働きの湿気が降り、在泉の少陽の相火が昇ると時ならずしてよく雨が降る。
後半には在泉の太陽寒水の影響で冷える。
その司天の湿気と在泉の寒氣に犯されると、人々は太陰である脾臓が病んで、身体が重くだるく浮腫んだり、胸や腹が張り苦しくなる。

*四の気は、畏火臨み 溽蒸化し 地氣騰り 天氣否満す

寒風 暁暮  蒸熱 相薄りて 草木 煙を凝らし 濕化

流れ不れば則ち 白露 陰かに布いて 以て秋令を成す

民の病:?理熱し 血暴溢し瘧し 心腹満熱し 臚脹す

甚だしきときは則ち?腫す


7月23日・大暑〜9月23日・秋分(7月18日・甲子〜9月16日・甲子)

四の気:主気は太陰濕土、客気は少陽相火

畏火は相火と同じで暑さが激しくなり、主気の太陰濕土の上に客気の少陽相火が居座るので、濕熱が燻蒸して地上の陰の気が昇り蒸し暑くなるが、秋が近づくにつれて、在泉の太陽寒水の寒氣が上昇して朝と夕方には寒風と湿気が相迫って草木に霧がかかり、客気の少陽相火の気が太陰濕土の気を制圧するので、白露(霜?)がおりて秋となっていく。

この時期に人々の病は皮膚に熱がこもり皮膚病が酷くなり、あちこちから出血したり、熱が出たり引っ込んだりする瘧サメ(瘧病)が流行り、胸や腹に熱がこもり、酷くなるときは身体が浮腫む。

*五の氣は:惨令 已に行なわれ 寒露下る 霜迺ち

蚤く降り 草木黄落す
  
寒氣 體に及ぶ 君子は周密す  民 皮?を病む


9月23日・秋分〜11月22日・小雪(9月16日・甲子〜11月15日・甲子)

五の気:主気・客気ともに陽明燥金

主客ともに燥金の影響で殺伐の性質の金気の影響で寒露が降り、早く霜が降り、草木が紅葉しないうちに早く黄ばんで枯れてしまう。

その寒さが身体に影響しやすいが、養生の道をよく知る人は家にこもり寒さを防ぐが、余儀なく寒さを防ぐことが出来ない人や外で働く人は皮膚病になりやすい。

*終の氣は:寒 大に挙がり 濕 大に化す 霜迺ち積み

 陰迺ち凝り 水堅く氷る 陽光治まらず
 
寒に感ずるときは則ち人を病ましめて 関節禁固し 腰?

痛む


11月22日・小雪〜1月 ?日・大寒(11月15日・甲子〜1月14日・甲子)

終の氣:主気・客気ともに太陽寒水

主客ともに寒水が重なるため、寒さが激しくなり、司天の太陰濕土の作用が押えられてしまい霜がおり、地表は凍り付き、水は堅く氷り、日の光も陽気が乏しくなる。
人々がこの寒氣にやられるときは関節が強張り、少陰腎經や太陽膀胱經が犯され、腰や臀部の痛みが起こる。

寒・濕 氣交に持して疾を為すなり

必ず其の欝気を折きて 化源をとる

其の歳氣を益して 邪をして勝た使む無かれ


在泉の太陽寒水と司天の太陰濕土の影響によって病が起る。
欝気をくじくとは、司天が太陰濕土ならば、土尅水で足の少陰腎經が欝す。
また、在泉が太陽寒水ならば、水尅火で手の少陰心經が欝すのでそのバランスを取ること。
その歳の気を益すとは、司天の太陰をもって不足しがちなのは「水」で、在泉の太陽をもって不足しがちなのは「火」なので、心・腎の二臟の正気を益して、邪気に犯されないようにすることが大切。


歳穀を食らいて 以て其の真を全うす

間穀を食らいて 以て其の精を保つ


歳穀とは司天・在泉に属する穀物:黄色・黒色の穀物を食べてその真気を養い。
間穀とは左右四間に属する穀物:司天の太陰の左は厥陰(木=蒼色の穀物)右は陽明(金=白色の穀物)。在泉の太陽の左は少陽(相火=赤色の穀物)、右は少陰(君火=赤色の穀物)を食べてその精を保つ。


故に 歳 宜しく苦を以て之を燥かし 之を温たむべし

発せず泄さざるときは則ち 濕氣 外に溢れ 肉潰え 皮

折けて 水血 交々流る


だから、今年は司天の太陰濕土を乾かすに火の苦味でこれを乾かし、(甘味で)以てこれを温めること。
病がはなはだしいときには、この苦味の物(苦剤)を主役として発汗し、大便を下し、利尿してやる。
もし身体の湿気がうまく体表に発散したり、下したり、利尿すことが出来なければ、その湿気が身体の内にこもり充満して、肌肉が爛れ皮膚病になり、リンパ液や血が混ざり合い流れ出す。


必ず其の陽火を贊けて 甚寒を禦がしむ

氣の異同に従いて 其の判を少多にすなり


だから必ずその陽気を補い、暖めるようにし、ひどい寒を防ぐようにしなければいけない。
そのためには、その湿気や寒気に犯された程度をよく見極めて、その治療の度合いの多少を考えるべき。

寒を同じくする者は 熱化を以てし

濕に同じくする者は 燥化を以てす


その年の司天の寒、在泉の湿と同じものは、土・金・水の三運で、その治法は燥熱の作用を持つものを使う。
在泉の寒気と同類の運、すなわち金運不及・水運不及の年は、熱薬を用いる。
司天の湿気と同類の運、すなわち土運不及の年は、乾燥する働きを持った薬物を用いる。

異なる者は 之を少なくし

同じき者は 之を多くす


司天と運と在泉の寒・湿の気が異なるものは、燥熱のものは少なく用いて、
司天と運と在泉の寒・湿の気が同じときは、燥熱のものを多く用いて湿を乾かして、これを調える。


涼を用うる者は 涼を遠ざけ

寒を用うる者は 寒を遠ざけ

温を用うる者は 温を遠ざけ

熱を用うる者は 熱を遠ざく


涼薬を用いるときは、涼しい時をさけ、
寒薬を用いるときは、寒い時をさけ、
温薬を用いるときは、温かい時をさけ、
熱薬を用いるときは、熱い時をさける。

食宜 法を同じくす

食養生についても同じように考えればよい。

假なる者は之に反す 此れ其の道なり

しかし、これらはあくまで原則であって、例外もあり得る。
 
是に反する者は病むなり

これまで述べてきたこれらの気候や法則に逆らった生活をしていると、病を引き起こす原因になる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

原文:『黄帝内經素問』「六元正紀大論篇第七十一」より抜粋
参考文献:『椿菴デジタル素問』椿野央師編著、『和読黄帝内經素問』小寺敏子編著、『黄帝内經素問諺解』岡本一抱子監修、『類経・図翼・附翼』張介賓編著 他 『運気』小曽戸丈夫・新釈・谷口書店、
『平成21年気学運勢暦』神明館蔵版、『平成21年歳時記カレンダー』


2009/02/13改訂 椿菴 椿野央師 訳編


古典鍼灸医術のご用命は下記までhttp://www.ching-an.com/






posted by 椿菴 Ching-an ちんあん at 04:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記